牛は、円らな真ん丸の眼をしていて、愛嬌があるというよりは、可愛い。けれど、顔を見て本当に名前を付け、他の牛と判別できるのだろうか。同一の種牛による人工授精による子孫が多いことを考えると、体重、背格好、体全体の量感からやっと他と区別はつくのだろう。
牛に関する商取引は、牛の売買契約、牛の飼育委託契約、えさ代のために牛を留置する場合等の商事留置権その余の、集合物担保物件設定契約等であろう。
また、雄牛は、種牛とし巨額の売買代金が付くであろうし、雌牛は、受胎して子牛を産むため飼育され、子牛は、動産である雌牛の法定果実として、雌牛のオーナーの所有物となるのが自然である。
人間は、指紋がそれぞれ異なる。牛も人と同じように牛毎に鼻紋が違う。この鼻紋で、牛を特定した上で、先に述べた牛の売買契約をしたり、当該牛のオーナーを定めて「いわゆる和牛オーナー制度」が成り立っているわけである。
東北大震災で、債務超過ないし支払不能となり実質倒産に至った安愚楽牧場は、今は民事再生開始申立をした。北関東地域の和牛が原発の影響を受けた風評、更に、日本全土に亘る需要の冷え込みから、日本において和牛の価格が下落することになった。
南九州は、黒豚、和牛等を清算する畜産王国である。特に、宮崎県では昨年の口蹄疫による殺処分による巨額の損失があり、補償が重要な課題であったのに、東北大震災は、畜産農家に対するダブルパンチとなった。飼育ないし生産農家に対する国の手厚い補償が実行なされるのか、気になるところである。
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