もう、20年くらい前であろうか。ホノルルで、ハワイ州弁護士会所属の弁護士達が掲載してる電話帳広告欄を見て、驚いたことがあった。

 「24時間問わず、出張して法律相談に伺います。初回相談無料」との広告で、父・娘の弁護士が小さな写真付きで法律相談を勧誘、営業していた。また、1ページ全部を費やして「ハーバートロースクール卒業」と銘打った、アルマーニを着こなした男性モデル然とした、写真広告もあった。

 当時、日本には、弁護士業務には、営業広告禁止規定があって、大手の渉外法律事務所が500円のテレカによる名刺配布自体が、広告規定ないし倫理規定で、問題とされたことがあると聞いたこともあり、日本の弁護士には、無縁のことと感じた。

 世も代わり、日本において、電話帳広告はもちろんのこと、テレビ・ラジオ広告、電車バスの吊り広告、そして、郵便物や商工団体の冊子や、タウン誌に事務所広告をすることも、これが良いかどうかは別として、普通のこととなってきた。

 年賀状、暑中見舞い等の挨拶状程度は、従来から認められていた古き良き時代とは、隔世の感がある。

 突発的、あるいは日常の法律問題があって、地方の市民や中小企業主が相談しようにも、弁護士は遠いし、敷居も高く、相談料さえ覚束なく、不安であるばかりか、とにかく、アクセスがしにくい。

 地元財界・企業や自治体の顧問をすることが○金弁護士のステイタスとされていたのは、今は昔。
 法律上の悩みを抱えながら、病や足腰が弱くて動けない人々がいるのであれば、弁護士自ら出向いて行って、ローカウンセラーとして法律相談を受け、適切な処方箋を提供する。いわば、「出前相談」が町弁の理想的な姿かもしれない。

 地方裁判所の支部や支部近くの市町村に弁護士法人の支所を設立するのも、一案であるが、やはり、弁護士自ら出向くというフットワークが待ち望まれていると感じている。

 私は、明朝、もめない遺産相続を望んでいる老人の遺言書作成の相談を聞くため、田舎の田園地帯に車を向けることとなっている。