認知症とは、平たく言えば判断能力が鈍って生活するのに支障がある状態です。
認知症は、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)、退行性変性障害(アルツハイマー病等)、外傷性疾患(頭部外傷、慢性硬膜下血腫等)の病因によって発生します。
物忘れがひどくなり、何回も同じ行動パターンを繰り返し、突然誰かまわず粗暴な言動を取り、昼夜問わず徘徊し、恥ずかしさを感じないまま糞尿を垂れ、他人から物を取られたのではないか、取られるのではないかと、神経過敏となったりします。だから、認知症の人は、一人では、暮らしが出来なくなってしまいます。
人は、自由な意思があるからこそ、法的な意思表示もでき、取り消したりします。そして、自由に行動できる認識能力があるから、被害者にもたらした損害を賠償する法的責任も生じるのです。
私法上は、契約の際の「意思能力」といったりします。成人に達するまでは行為能力が完成していないので、親、法定代理人が同意したり、取消ができたりします。また、縁組をする時は、「縁組能力」、遺言では「遺言能力」といいます。
認知症になると、以上のような意思能力、縁組能力、遺言能力がその病状より、欠けたり、減退し、そのような状態で取引や意思表示をしたりして、紛争が巻き起こることになります。
親切心を装った人が、認知症の身寄りのない高齢な女性に迫り、金銭を管理すると言っては使い込み、老女の預貯金をおろしては、自分名義の通帳に移動したりもする。銀行の払出窓口は、近年、払出権限ないし代理権限の有無をやかましく言うようになったが、一昔前は、結構緩やかなものでした。
また、勝手に認知症の老人と養子縁組届出を出したり、自筆証書や公正証書遺言を作成させたことから、相続人等の利害関係人から家庭裁判所に対し縁組無効の申立、遺言無効の申立などが申し立てられもします。
以上のような紛争を未然に阻止するため、高齢者の財産、人権を守るため、成年後見制度があり、認知症に至る前に、後見人就任を前提として、任意後見契約を締結しておくのが、穏当です。
どうやら夫婦といえども、子育てが終わり、夫や妻の退職時期が近づいてくると、はたして目の前にいるこの夫や妻と一生添い遂げるのが本当に受け入れられるのか疑問になってくるらしい。
ある先輩男性の話ではあるが、子どもを産んで女性は、母として妻として格段の実力を身につけてくるようで、今までのように夫が仕事ばかりしていたのでは、育児を含め家事についての分担が疎かになってくる。
子どもが成人して学校を終え就職し、結婚をしていくという年頃になると、夫は、自分にとって恐妻家の呪縛から、多大な経済的代償を支払ってまでも離婚をしたいという誘惑にかられるようだ。
一方、妻は、夫が外で仕事をし、飲みつきあいでたとえ遅く自宅に帰ろうとも、日祭日となると居間でごろごろしながらテレビの前に肘をついて寝転がっているだらしないうちの宿六と、退職後、朝から晩まで顔をつきあわせていくのは、自分の自由が奪われるようでとても許し難しいと考える。
そこで、定年間際の離婚が物議をかもしだすことになる。じっとこらえて、妻として、夫の相続人として、自分の晩年に救いを求める人もないわけではない。しかし、妻は夫名義の住宅ローンが完済に近づき、3000万円前後の退職金が現実化する寸前に、夫と妻とで共同して作ってきた財産を等分に分けて手にして、妻の老後は孫の成長を楽しみに生きるのが安楽と思う人も多い。
妻は、夫が住宅や退職金を退職直前に処分することを考えたりするのを事前に防止しておくため、住宅や退職金に対して、慰謝料請求権や財産分与請求権を担保するため、仮差押え手続をする例もある。
「共白髪になるまで」という夫婦の契りや絆は、長年にわたる普段の相互の努力の賜である。世に「亭主関白」を標榜する昔風の夫もいるようだが、実のところ、関白太政大臣を超え、玉座に座っておわす「かかあ天下」という天下人がいることを忘れているようだ。
『成田離婚・その後は』
成田離婚の話を聞いてからもうすでに20年以上経ちます。カップルが結婚式を挙げてその足で役場に婚姻届出を提出し、成田国際空港からハワイやヨーロッパに向けて新婚旅行へと向かう。
旅先でお互いをあまり知らないままちょっとしたことで、例えば互いの実家に買って帰る土産物の意見が対立してケンカとなってしまう。
幸せいっぱいのダブルベッドが背中を向けあったまま、残りの旅行スケジュールは無言のまま過ぎていき、成田空港でお互い顔を見合わせることもなく、別れてしまう。その後は、離婚手続まっしぐらとなっていくという、辛いエンディングストーリーです。
今は婚前旅行は当たり前、同棲という名の結婚お試し期間が設けられて、いわゆる成田離婚の数はかなり減ったのではないかと思います。
ただ、お試し期間とはいえ、その真意は、婚約であることには変わりなく、一方が同棲や婚約を一方的に解消したりすれば、内縁関係の不当破棄・婚約不履行などの法律問題となり、慰謝料請求が成り立つかどうかが争点となってきます。
いずれにしても、結婚をするにあたっては、目を大きく開けて、相手の心の声を聞きながらじっくり相手の人となりを判断するのが肝要ということに帰結します。
成田離婚も内縁関係や婚約を解消することの原因は、根っこでは同じことのようです。
ママさん、子育て奮闘中。その1
カテゴリー: 民事
若いころ、魔がさして浮気をしてしまい、離婚となったママさん。幼い子供がいたのですが、昔なら子供は夫の許に置いて、慰謝料、財産分与なく、実家にかえされたものでした。
けれど、今は、子の親権は取れ、前夫は、子の養育費も支払うとの約束もしてくれることが多いですね。ただ、妻は、浮気、不貞の慰謝料を支払わされ、浮気の代償は大きいのです。
時間が経って、前妻が再婚したり、子供が再婚相手と養子縁組みしたことを知ったりすると、前夫は、突然養育費の支払をストップしたりします。
養育費は、父の子供に対する義務であることを忘れているのですね。
そして、前夫も3人の子のある独身女性と結婚し、再婚相手との間に1人の子供にができた。
前夫家庭の事情もわかるけど、こういう場合、どうなるのでしょうか?
父は、再婚後扶養家族が増えることになったので。養育費の金額は。必ず減額すると思います。
養育費の金額は、父母の収入、双方の子どもの人数、年齢によって、変わります。家庭裁判所等で実際例を元に作られた基準表ができてますので、これを参照することになります。
労働審判は、果たしてどちらに有益なのか
カテゴリー: 民事
労働審判は、使用者、労働者どちらに有益なの?
私の印象を述べましょう。
申立は、労働者側からなされる場合が多い。代理人なく申し立てれば、相手方会社・使用者は、代理人なく対応する場合もあろう。
多くの場合、3回以内の審判期日を経て、和解により終結する。ただ、和解には、相互の譲歩が必要だから、その程度によっては当事者双方不完全燃焼となってしまいかねず、そうなった場合、「紛争は解決した」といってよいのか難しいところではある。
審判手続は、労働審判官(裁判官)1名と2名の労働審判員(労働者側・使用者側各1名)とで組織される労働審判委員会によって執り行われるのだが、流れとしては各審判員から当事者に質問をぶつけてくるのが通常で、審判官はあまり積極的に音頭を取らない。
労働審判員のうち使用者側委員は、総務ないし人事管理経験者であることが多く、そのため、被用者への適切な対処がなされて来なかったことについて、やや使用者に手厳しい感もする。
一方、労働者側委員は、労働組合の役員経験者などが選任されることが多いのだが、こちらも労働者保護の観点から、手続不備を含め、使用者にかなり手厳しい傾向にある。
もっとも、審判員(使用者側であれ労働者側であれ)はどちらか一方当事者の味方というわけではなく、本来、中立かつ公正な立場にあるわけで、それが「使用者に手厳しい」と感じてしまうのは、それだけ「使用者に比して被用者の立場(力関係)が弱い」ということの現れかも知れない。
裁判官たる労働審判官は、審判員と当事者双方とのやりとり状況を見ながら、時には審判まで進んだ場合の結果を示唆しつつ、和解による解決を促す、ということになっているようだ。
審判官が当事者に和解を強要する、ということはあり得ないのだが、 和解が成立して事件が終了する場合が圧倒的に多い。和解がまとまらず審判まで至るのは申立件数全体のうち2割を切っているのではないか。 ましてや、審判の結果を不服として更に訴訟提起にまで至るのは、全体の1割にも届かない気がする。この点は、現在の正確な統計データが必要である。
このように、労働審判の流れを見てみると、ひとたび申し立てられると、使用者・被用者どちらの立場であれ、(裁判官たる審判官ではなく)審判員との質疑応答を根幹として手続が推移してゆくという点は侮れない。
事実と法規の適用という、証拠裁判主義の建前からすると、問題点が無いわけではない。
しかしながら、原則3期日内(審理に要する期間は平均で約2か月半)という迅速性、労働関係についての豊富な知識と経験を有する審判員の関与による労働条件の適正化、準則化を促すという、メリットは大きいのかもしれない。






